需要と供給のバランス
それでは次はこの『需要と供給』のバランスについてです。
この図は需要と供給について説明するときに必ず使われるものになるので見たことがある人も多いのではないでしょうか。
しかし勉強嫌いな人はこういう図を見るとなんだか一気にやる気失せますよね。私は失せます(笑)
しかししっかりと理解すれば簡単な図なので解説していきます。
まず、この図の線を『需要曲線』と『供給曲線』と呼びます。
右に下がっていっているのが『需要曲線』
右に上がっていっているのが『供給曲線』になります。
図の見方としては縦の軸は、線の位置が上側にあるほど『価格が高く』、下にあるほど『価格が低い』です。
横の軸は、線の位置が右側にあるほど『量が多く』、左にあるほど『量が少なく』なります。
言葉ではわかり辛いと思うので簡単に図で見ていきましょう。
これは需要曲線のみの図です。
この図の通り、これは「買いたい!欲しい!」と思う人の『需要』の心理をあらわした曲線です。
この図の通り、価格が1万円に近いときは欲しいと思う人の数が0に近いですよね。逆に価格が0円に近いほうが欲しいともう人の数が100に近いですよね。
これは実生活に例えるならば、
一般的なボールペンが欲しいと思って買いに行ったら価格が『10000円』の場合。欲しいと思う人はどれほどいるでしょうか?おそらく『需要』はほとんどないと思います。
逆にボールペンが『50円』の場合、ボールペンを欲しいと思う人は多く、『需要』が多数あると思います。
要は「高いから買えない。いらない。欲しくない」というのと「安いから買いたい。欲しい」と思う人の気持ちや感情の心理を表したグラフということですね。
次にこちらは供給曲線のみの図になります。
さきほどとは逆で価格が安いときには同じく個数も少なく、価格が高いときには個数が多くなっていますね。
これは何故かと言うと、販売など供給する側の心理を表したグラフになるので、例えば
スーパーマーケットを運営するBさんはボールペンを売ろうとしました。しかし、販売価格が50円にしかならないので全然売上にならず利益も出ません。なので仕入れをして販売(供給)をしたくありません。しかしある日ボールペンが10000円で売れるようになりました。そうすると売上も高く利益もたくさん出るのでたくさん仕入れてたくさん売りたい(供給)と思います。
このように供給をする側の心理を表した曲線になるので、価格が安いときは売りたいと思う個数も少なくなります。逆に価格が高いときは売りたいと思う個数も増えます。
こういう風に分解して考えると意外と簡単な図ですよね。
均衡価格とは
ここまでで『需要と供給』についてはだいたい理解できましたか?
それでは、次はモノの値段の決まり方を考えていきましょう。
さきほどの需要曲線と供給曲線の話では、買う側(需要)は『安いと欲しい人が多く、高いと欲しい人が減る』、逆に売る側(供給)は『安いと売りたい人が減り、高いと売りたい人が増える』というお話でしたよね。
実はこれってお互いの心理は全くの真逆なんですよね。
買いたい人は『安く買いたい』、売る人は『高く売りたい』とお互いの心理がぶつかりあうので、ボールペンを10円で買いたいけど売ってくれる人がいない。ボールペンを10000円で売りたいけど買ってくれる人はいない。となるんですね。
ではいったいいくらならお互いが納得のいく『適正価格』で売買ができ、お互いの『需要と供給』が満たされるのかを図で見ていきましょう。
さきほどの需要曲線と供給曲線を重ねると…
こんな感じになります。
一番最初に紹介した図と同じような感じになりましたね。
そしてこの図の2つの線が交わるところ、ここが『均衡価格』と言われるものになります。
※実際の均衡価格の求め方は適当に線を重ねるのではなく計算式が必要になります。
図では、2500円と50個という場所で交わっていますね。
理論上はこの均衡点における取引が最も理想的であり、この需要と供給のバランスがとれた、均衡価格での取引が最も経済を活性化させると言われています。
※今回は題材がボールペンなのであくまでも例であり、実際に2500円が適正価格と言うわけでは無いです。
ちなみに需要と供給が一致した価格を『均衡価格』
実際に市場で取引される価格を『市場価格』と言います。
この2つが分けられる理由としては、需給が一致した価格で必ずしも市場で取引されるわけでは無いからです。
『均衡価格』というのはあくまでも需要と供給が一致した両者にとって『買いたい。売りたい。』と思わせる適正な価格という認識でいましょう。
以上の事から『需要と供給』によって理論上は『モノの値段』が決まるという事ですね。
しかし、実際の『市場価格』では『均衡価格』から離れて売買されることも多く、その要因としては『供給過多』、『需要過多』、『付加価値』、『原材料費』など様々な要因が絡み合います。
今回の記事で書くと長くなるので今回はここまで。
次の記事では理論上ではなく、実際の市場での『物の値段の決まり方』についてご紹介させてもらいます。
ばいばーい
次の『物の値段の決まり方』の記事は下のリンクからどうぞ
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