価格には原価が含まれている
価格は基本的には『需要と供給のバランス』によって決定されますが、この『原価』も価格を決定するうえでの要素のひとつとなります。
主に加工品などにはこの『原価』が大きくかかわってきます。
原価とはその商品を製造するコストです。
例えば、野球ボールを作って販売しようとした場合、原材料費100円、制作する人の人件費が500円だった場合、製造原価は600円になります。
なのでこの野球ボールを販売しようとすれば600円以上で販売しなければ赤字になってしまいます。
当然商売をしているので赤字で販売する意味は無いので販売価格は基本的には600円以上になります。
このように商品の価格には必ず『原価』が考慮されます。
※600円で買う価値がないと判断される商品の場合は需要が無いので600円以上で売れずに赤字販売、もしくは売れない。と言う可能性ももちろんあるので必ず600円以上で販売されるわけではありません。あくまでも販売価格に考慮されるということです。
少し話が戻りますが、さきほどの『需要と供給のバランス』で野球ボールの材料が手に入らなくなり『需要が供給量を上回ってしまい価格が高騰する』というお話をしましたよね。
この価格の高騰には実は『原価の高騰』も含まれています。
なぜなら、野球ボールを製造するための材料が品薄になるということは『材料の供給量を需要が上回る』ということが起きているからです。
よって、野球ボールを販売する人は材料の仕入れ原価が高騰してしまうので製造原価が必然的に上がってしまい、赤字販売をするわけにはいかないので製造原価の上昇分を販売価格に転嫁せざる得なくなります。
その他にも現在はとても安い『牛丼チェーン店』などもありますが、こういったお店も現在、人件費が高騰し続けているので将来的には製造原価が上がってしまい販売価格が上昇する恐れも大いにあります。
値段の決定には『需要と供給のバランス』だけでなく、『製造原価』というのも大きく関わってきます。
付加価値によって値段は跳ね上がる
付加価値というのは、読んで字のごとく付け加えられる価値です。
『需要と供給のバランス』と『原価』によって基本的な値段は決定すると先ほどお伝えしましたが、ここにさらに値段が変動する要素として、『付加価値』があります。
わかりやすく例えると、さきほどの野球ボールが一つ1000円で販売されている場合、みなさん普通の値段なのでほしければ購入しますよね。
でも、仮にこのボールが100万円の場合、おそらく誰も買いませんよね?
買えないし、いらないですよね。
しかし、この野球ボールにもしあの『大谷翔平』がサインをすればどうでしょうか?
この『大谷翔平』という『付加価値』によってそのボールは『世界に一つしかないボール』に変化しました。
こうすると供給量は『1』になり、需要は多数になり、需要と供給のバランスが一気に崩壊します。
すると、この『付加価値』によってこのボールは1000円から100万円でも売れるボールへと変わってしまうのです。
このように『付加価値』というのはその商品に本来『1000円』の価値しかなかっても『価値を新しく付け加える』ことで値段を変動させることができます。
例えば、ブランドの服などもわかりやすい『付加価値』になります。
無名の人間がハイブランドと全く同じ、ロゴ、素材を使って服を作っても服の素材分の価値しかありませんよね。
しかし、そこに『Gucci』などのブランドが加わると一気に価値は上がります。
このように『ブランド』だったり、『パフォーマンス』などで、その本来の商品の価値に『+α』の価値をもたせることで価格が変動するということですね。
しかし、これはあくまでも『付加価値』というものにより『需要と供給のバランス』が変動することによりそこに価値が生じるものがほとんどです。
『付加価値』を与えることで需要を増大させることにより、価格のバランスを変動させているので大きなくくりで言えば、これも『需要と供給のバランス』に含まれます。
価格は様々な要因で変動する
以上の事からも価格は主に『需要と供給のバランス』、『原価』、『付加価値』によって決定、変動しているということがわかっていただけたかと思います。
色々と説明をしましたが、簡単に言うと『人の心理』によって大きく価格は左右されます。
需要と供給のバランスというのも結局は人の心理的なものによる動きが大きいです。
手に入らないから高くても欲しい。いつでも手に入るものが高いならいらない。値段が高いわりに性能が悪いからいらない。など、需要と供給というのは人間たちが決めています。
そう考えると、実は売る側だけではなく、買う側も販売している価格を決めるのに大きく関わっているんですね。
例えば、有名な飲食店の『鳥貴族』などは販売価格を需要が大きい安いほうに合わせることで利益率を自ら下げて、『消費者目線で需要拡大』することで『薄利多売』で利益をあげる方針で株式を上場するまでの成長企業となりました。
これは買う側の心理をついて販売価格を安くしているので、消費者側が高くても買う人ばかりであればこういった商売は生まれなかったでしょう。
このほかにも、細かな様々な要因により価格は決定されますが、結局はほぼ『需要と供給のバランス』によって決定すると言っても過言ではありません。
みなさんも買い物をして値段が変動するというのは日常的に付き合っていく内容となるので、今回の記事で『物の値段の決まり方』を理解してからお買い物をするとまた違った側面が見えておもしろいかもしれませんね。
それでは今回はここまで
ばいばーい
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