連絡とは
『連絡』とは自分が携わっている仕事に関わる人たちに憶測や私見を含まずに、正確に物事や状況を伝達することです。
『報告』は仕事を任せられたり、指示があった場合に必ず発生するものなのですが、『連絡』については必ずおこなわれるものではありません。
ではどのようなときに『連絡』をするのか具体例をみながら考えてみましょう。
電話が鳴り、Aさんが応対をしました。内容は「Bさんはいますか?」というお客様からの電話でした。
電話があった時にはBさんはいなかったのでAさんは「Bはただいま席を外しておりますので、後ほど折り返しお電話をするようにお伝えさせていただきます」と対応をした場合、AさんはBさんに「〇〇さんから電話があったので折り返しの電話をしてください」と『連絡』をしなければなりません。
しかし、この『連絡』を怠ってしまうと、Bさんは電話がかかってきたことを知らないので、電話をしなければならないお客様へ電話をかけることができません。
そうすると、当然お客様は怒りますし、『連絡』をしなかったAさんはBさんに怒られる、もしくは仕事ができない人だと呆れられてしまうのは想像するまでもありませんよね。
この話だけを聞くと「そんな連絡を忘れる人いる?」と思われるかもしれませんが、『連絡』という業務は多岐にわたり、状況や仕事内容次第で臨機応変さが求められる意外と難しいものなのです。
もし『連絡』という言葉でピンとこない方は『情報を共有する』と考えるとイメージがしやすいかもしれませんね。
例えば、複数人がプロジェクトを任され、チームでひとつの仕事をしている場合などには『連絡』という『情報の共有』は必要不可欠です。
例えば、デザインの制作依頼があってお客さんから「デザインのイメージの変更依頼」があった場合に『連絡をしてその情報をチームで共有』してくれなければ、その間作り続けているデザインは無駄になってしまい、仕事が丸一日無駄に…なんてこともありえてしまいます。
『連絡』という業務は『上司と部下』の二人だけの場合は『報告』だけになり発生しない場合などもあり、臨機応変さが求められます。
ちなみに『経過報告』と『連絡』は似ていますが、『経過報告』はあくまでも命令者や依頼者に対して任された仕事の進捗状況などの『報告』であり、『連絡』というのは会社やチームなどで仕事をしているときに『情報を共有』する目的でおこなわれるものであり、似ているようで違うので注意です。
相談とは
『相談』とは任せられた仕事や指示に対して、自分だけの判断では難しいことや、どうしても解決できない問題がある場合に上司などに相談をしてその考えや意見を聞くことです。
これも『連絡』と同じように必ず発生するものではなく、上に書いてある通り、自らで解決できないことが発生した場合のみにつかいます。
それでは具体的にどのようなときに『相談』をつかうのか考えていきましょう。
上司Aさんは部下Bさんに「C株式会社に商談にいって、仕事とってきて」とお願いしました。
C株式会社に向かって商談をはじめた部下Bさんでしたが、C株式会社の人が「君のところの商品を使ってもいいけど、1個1000円は高いから100個仕入れるから1個あたり700円にしてくれない?それだったら君のところの商品を使うわ」と言われました。
ここで部下Bさんは商談を成功させたいのでその条件を快諾して契約書を交わしました。
そして会社に帰って上司Aさんに報告すると上司Aさんは「一個700円だったら赤字じゃないか!何を勝手なことをやってるんだ!」と怒り出しました。
部下Bさんはどうするべきだったのでしょうか?
まあ当然言うまでもなく、『一個700円という提案をC株式会社にされた際に、一度話を持ち帰って上司Aさんに相談をして大丈夫か確認をするか、その場で電話で上司Aさんに相談をするべき』でしたね。
もちろんC株式会社が元々の1000円という値段で契約を結んでくれていた場合は、帰社後に商談成功の報告をするだけで相談はいりませんが、こういったイレギュラーなことや自分で判断ができないようなことが起こった場合には自分で勝手な判断をするのではなく『相談』をするということがとても大切だと言えます。
しかし『相談』と言うとなんだか大袈裟な気がして、なかなかやり辛いな~と思っている方も多いと思います。
そういった人は『相談』ではなく『確認』という意識で話すことをおすすめします。
実際に世の中の仕事で『相談』と言われる内容のほとんどは『確認』でしかないからです。
先ほどの商談の話にしても『上司に相談』はしていますが、内容は『商品単価を下げてまでもこの商談をとるかの確認。もしくはどこまでの値段までなら相手の意向に沿うかの確認』でしかありません。
なので仕事では『相談=確認』と思ってもらっても過言ではありません。
そう思うと少しは気軽に『相談』がおこなえるのではないでしょうか?
報告・連絡・相談はただのツールでしかない
ここまで散々、『報告・連絡・相談』がいかに必要かを説明してきたので必要性は理解していただけたかと思います。
『報告・連絡・相談』というビジネス用語は、昔の偉い人が当たり前におこなっていたことを『ほかの人にもわかりやすく伝えて使用してもらおう』と思ってわかりやすくビジネス用語として浸透させただけであり、『報告・連絡・相談』という言葉ができる前から当たり前にみんなやってきたことなのです。
そして正しく使えばそれだけ有用なものだから現代でも浸透している言葉なのです。
しかしこの『報告・連絡・相談』と言うのはどこまでいっても『ただのツール』であり、仕事を円滑にすすめるための道具でしかありません。
例えばパソコンをどれだけ便利な物と頭でわかっていても、それを正しく使用しできなければパソコンはただの置物にしかなりません。
同じように『報告・連絡・相談』についても意味が分かったからと言って正しく使えなければ意味がなく、飾りにしかなりません。
言葉の意味を単に理解するのではなく、『報告・連絡・相談』をしっかりやることによって『どういったメリットがあるのか』
逆に『報告・連絡・相談』を怠ることによって『どのような支障がでるのか』といったことを考えることが大切なのです。
決して『報告・連絡・相談』がすべてなわけではありません。
しかし実際のビジネスシーンにおいては『報告・連絡・相談』をすることによりミスを未然に防げたり、部下がどのような仕事ぶりなのかを上司が把握するのにも優れているツールであることは明白です。
逆を言えば部下が上司に仕事ぶりをアピールできるツールでもあるという事です。
以上の事からも新卒の方や、『報告・連絡・相談』がいつもできていないと怒られている方などはぜひこの機会に『報告・連絡・相談』について正しく学んで、活用をしてみてはいかがでしょうか。
ついでに株式会社の仕組みについても勉強したい方はこちらの記事もどうぞ
- 1
- 2